改善されつつある看護師の働き方

看護師の勤務先として6割以上を占める病棟勤務は、多忙なことから子育てや介護と両立することが困難なため、退職してしまう看護師が後を絶ちませんでした。一度辞めた看護師が復職する可能性も低く、有能な人材が活用できない現状が問題視されてきたのです。しかし、長く勤められない看護師の働き方について見直され、日本看護学会からも提言されています。
正社員は1日8時間、週40時間の所定労働時間が一般的ですが、近年では短時間正社員の制度の導入を行う職場が増えてきました。所定労働時間に満たない勤務であっても正社員として認められ、看護師が働きやすくなりつつあるのです。

また、一部の職場では正社員の夜勤や回数を減らし、日勤をメインとする勤務形態を認めています。そのほか、非常勤の平均賃金をアップさせたり、イベントの臨時医務室やツアーの付き添いなど単発の仕事の機会を増やしたりして、復職の意欲を高める工夫も行われているのです。看護師の働き方は多様化し、自由に選択できる時代になりました。
働き方改革関連法施行に伴い、看護師の働き方改革についても促進が図られています。具体的には、時間外労働の上限とされる月45時間、年360時間を超えると罰則が適用され、年次有給休暇の年5日の取得が義務付けられているのです。看護師の待遇が改善され、多様な働き方を選択できるようになったことで、看護師の離職率を下げる試みに期待が高まっています。